渡部信子先生コラム
No.13 2011年08月
【No.13】NHK「ためしてガッテン」も「あるある大事典」並みにレベルダウン!?
毎週(水)夜8時NHKの「ためしてガッテン」は長年にわたって高視聴率をキープしている番組。
データ捏造がバレて消えてしまった「あるある大事典」と比べると、ウサン臭さもあまり感じることもなく、かなり役立つ情報も多いので、私も見られる時は見ていました。
その「ガッテンから取材があった」とお茶の水の浜田病院副院長の合阪先生から連絡があり、8月3日放映の「骨盤ダイエット」を楽しみにしていました。
もちろん私は、トコちゃんベルトを着けたり、骨盤体操をちょっとしたくらいで、簡単にダイエットに成功するなんて思っていませんが「NHK が骨盤を正面から取り上げるのは初めてでは?」と思いつつ、それなりに期待していました。
ところが、始まってしばらくするとだんだんおかしな方向に司会の二人が引っ張っていくではありませんか?
ゲストも「こんなバカげた番組に出ていたくないと」思わせるかのように「おウチに帰る」を連発。
司会も「あえて言いませんが・・・」と言いながら嘲笑するような顔のイラストを差し込んだりと、NHK らしからぬ下品さと低劣さで、私は「いつもと違う」と思いました。
本題の「骨盤ダイエット」の体操を2週間したら骨盤は締まるか? との実験で、恥骨上端角の測定を合阪先生が依頼されて、測定したところ、体操を2週間しても角度に変化はなく、合阪先生は、「その『体操を2週間したくらいでは』骨盤を締める効果はない。」ときっぱりと断言されています。
合阪先生は「トコベルを着ければすぐに骨盤上端角は改善する。トコベルで骨盤を支えることが大切。」だと取材陣に話し、助産師が取材に来た女性の一人にトコベルを着用し、体で感じてもらったそうです。
ところが、、、実際の放送では、肝心のその部分は全く放映されず「効果はない」の部分だけが使われ、まるで「骨盤体操も骨盤ベルトを着用することも全て効果がない。」と合阪先生が言っているかのようにNHKが編集してしまったのです。
合阪先生を良く知っている私ですら「骨盤?実にくだらん。」と合阪先生が言っているかのように受け取れました。
合阪先生はトコちゃんベルトと骨盤の研究が大好きで、10年近くにわたって骨盤の緩みと切迫早産や排尿障害との関連を研究され、学会や雑誌で発表してきた方です。
それなのに、番組内で司会の小野アナは「尿漏れは骨盤底筋群を鍛える体操をすれば良くなる。」と言い切ったのです。
合阪先生はわずかばかり映っただけなのですが、取材には4日間もお付き合いさせられたそうです。
つまり、合阪先生は NHKに利用だけされたうえに、自分の研究成果まで否定されてしまった格好です。
NHK は最初から合阪先生に「骨盤ダイエットは効果がない、ということを言いたい。」と言っていたそうで、そのストーリーに合うように、都合よく編集したのです。
このズル賢さと非人道的行為にあきれてしまいました。
これでは「あるある大事典」と同じではありませんか!?
こんな NHKの横暴は放っておけない!と考えたのですが、たとえトコちゃんベルトの医学的有用性をあげてNHKに抗議しても、NHKは「あの番組はあくまで骨盤ダイエットについて検証したものですから。」と言うに違いありません。
くたびれるだけです。
だったら何ができるか? と行きついたところがツイッターです。
ツイッターというものがあることは知っていたものの、やったことがないので大変でしたが、やっと私にも少しはできるようになりました。
そこで私は「NHKはおかしい!」とつぶやいています。
こんなつぶやきが1万件を超えるほどになればNHKも無視できなくなるはずです。
一人でも多くの母子がつらい思いをしなくても良いように「ためしてガッテン」でまともな骨盤の特集がされるまで、私はツイッターを続けます。
皆さんもぜひ、NHKに届くようツイッターでつぶやきましょう!
(初出 2011年8月)
- 2025.04.22
- 14:29
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