渡部信子先生コラム
No.08 2011年03月
【No.08】子宮は赤ちゃんのお部屋・骨盤はお家
3/11、東京でのセミナー中、午後2:46、ビルが揺れ始めました。
これまでこのビルで何度も地震にあっていた私は「またか」と思ったのもつかの間、揺れはどんどん激しくなり、受講生の悲鳴が飛び交う中、いろんな物が倒れそうな勢いとなり、しかもいっこうに治まらない揺れに、今までに味わったことのない恐怖心が私を襲いました。
それを隠さんとばかりに「皆さん、このビルは倒れません!命は大丈夫です!!」と叫ぶ私。
揺れている最中、受講生の一人がテレビをつけました(なんという冷静さ!)すると、震源は宮城沖と。
ようやく激しい揺れが治まったのは6分後。
あり得ないほどの長い揺れ、しかも震源地は宮城沖だというのでこれは今までにない激震だと、私にもすぐに理解できました。
つるしたゴムチューブや、全身骨格模型(ガイコツ)の腕が不気味揺れ続け、治まりかけたかと思うとまた大きく揺れ、、、の繰り返しで、セミナーは中断。
次々に放映される地震や津波の映像、電車運行の速報、受講生で帰宅できたのは一人のみ。
あとは全員帰宅困難となり、私を含め16人はセミナー会場で夜を明かすこととなりました。
早めに近くのコンビニに食料を買いに行ってもらったので、夕食と翌朝食は全員分確保でき、布団・毛布・枕はたくさんあったので、避難所としてはかなり快適。
翌日の14時には全員が帰宅、もしくは親戚の家などに移動できました。
家を失った人々の惨状が、テレビで毎日ずーっと放映されている頃、私の施術を初めて受けに来られた方がありました。
半年ほど前に妊娠36週で胎盤早期剥離で赤ちゃんを死産された方でした。
次の妊娠に向けて体をチェックし整えたいとのこと。
一見したところ「えっ、どうして? 胎盤がしっかり育たないような体ではないのに?」と私の頭の中は「???」だらけに。
どう見ても乳幼児の頃からゆがんでいた体ではない。
中学卒業する頃までにはバランスの良い体にでき上ったはず。
しかし、骨盤を触って診ると「こんなことありか?!」と我が指を疑うほどのひどいゆがみ。
聞くと妊娠する少し前に二度、追突事故にあったとのこと。
追突の衝撃で骨盤や首の骨が大きくずれてしまったとしか考えられない。
「子宮は赤ちゃんのお部屋。骨盤はお家。お家がこれだけ傾いていたら赤ちゃんのお部屋も、居心地のいいお部屋であるはずがないよねぇ」と、私は語りかけながら、地震の後ボーッとしていることの多かった自分を反省。
「赤ちゃんを亡くして涙を流す女性がないよう、妊娠する前や妊娠中に、お家を整えておくことの大切さを、頑張って伝えていかなければ」と、、、志を新たにしました。
(初出 2011年3月23日)
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