渡部信子先生コラム
No.04 2010年11月
【No.04】ゆがんでいる骨盤をきれいにするには、どんな体操したらいい?
【オススメの1位 だるまさんゴロゴロ体操】
近年の若い女性の靭帯が細く弱くなっていることを前回書きました。
さらに、お尻の筋肉も弱い人が多く、そんな女性のお尻の真ん中の骨=仙骨(せんこつ)は飛び出ていることが多いのです。
硬い床などに仰向けに寝た時に、お尻の真ん中の骨が痛む人は、間違いなく出すぎです。
妊娠すると胎盤から靭帯を緩めるホルモンが出ますから、いっそう仙骨が飛び出て来て、あお向けで寝られなくなったり、ひどくなると身体を動かすことも、歩くこともツラ~くなってきます。
こんな場合、トコちゃんベルトを着けても痛みはあまり楽にはなりません。
なぜなら、飛び出た仙骨を押し込むほどの力は、トコちゃんベルトにはないからです。
なので、自分の仙骨に自分の体重がかかるように体操しないと痛みは楽にはなりません。
そんな人にオススメなのが、だるまさんゴロゴロ体操。
この体操は『DVDで骨盤メンテ』 (渡部信子監修・日経ヘルス編集部著、日経BPムック、2009年) に収録されていますので、それを見ながらするとわかりやすいのですが、妊婦さんにはこの DVDのやり方よりも、楽にできる方法があります。
1. まずはタオルを1本用意します。
2. 座布団を敷いてお尻を10cmほど壁から離して座り、壁に背中をもたれて座ります。
3. ひざの裏にタオルを通し、タオルの両端を両手でしっかり持ちます。
4. 足の裏を 5cmほど床から浮かして、足を床に着けると同時に背中を壁から離します。
5. 楽にできたら、お尻を壁からさらに 5cmほど離して座り、同じように足の裏を5cmほど床から浮かし、足を床に着けると同時に背中を壁から離します。
※お尻と壁の間に枕やクッションを入れると、しやすくなります。
最初は、仙骨が痛いと思いますが、している途中からだんだんとお尻の痛みが楽になるのがきっとわかりますよ。
なれたら、あお向けに寝転んだ状態からもできるようになりますので、それを目標に毎日30回を続けましょう。
当分はできるやり方で良いですから、あせらずに続けてくださいね。
自分で体操をしたら楽になるのが分かれば、体操するのが楽しみになります。
ママの体が楽になると、お腹の赤ちゃんも楽になります。
これは超音波写真で、赤ちゃんの表情を見るとよくわかります。
赤ちゃんのお顔が超音波や3D写真などに写った時に、どんな表情をしているか注意深く見てくださいね。
妊娠12週の赤ちゃんでも、ニッコリしているのとか、しかめっ面をしているのが、はっきりわかることがあります。
もちろん、ニッコリしている時は赤ちゃんが喜んでいる時。
ですから、お腹の赤ちゃんのために、痛みのない元気な身体と、ふんわりと柔らかい子宮を作ってあげてくださいね。
出産する日まで、毎日だるまさんゴロゴロ体操を、1日30回続けて!きっと安産できるはず。
お産が終って半日後くらいでも、できそうならやってみてください。
産後の回復も順調になりますからね。
(初出 2010年11月17日)
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